メールマガジン バックナンバー
第4号 (2011.4発行)
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本メールは、メールマガジンメンバーの皆様および、お問合せ、イベント・
セミナー等にてメール交換させていただいた方にご連絡いたしております。
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メルマガメンバーの皆様へ
東北地方太平洋沖地震で被害に遭われた、すべての皆様に心よりお見舞い
申し上げます。一日も早く復旧されますよう心よりお祈り申し上げます。
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メルマガメンバーの皆様へ
東北地方太平洋沖地震で被害に遭われた、すべての方々に心よりお見舞い
申し上げます。
3月11日から2カ月が経とうとしています。この間皆様のビジネスにおいても
様々な影響があり、皆様も日々対応に忙しくされていたことと思います。
少しも早い復興と発展を心より願っております。
今回のテーマは、IFRSについて、「自社開発こそ最善の道」
としてお届けしたいと思います。
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+ 目次
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1.IFRS 自社開発こそ最善の道
2.メールマガジン バックナンバーのお知らせ
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株式会社 東條経営科学研究所 http://www.tojolab.com/
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1. IFRS 自社開発こそ最善の道
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IFRSの日本での適用にあたっては、2015年3月期強制適用になるのでは
ないかといわれています。もし、そういうことになれば、前年度分からIFRSの
データが必要になるといわれていますので、実質的には、2013年4月期からの
会計処理においてIFRSが運用されている必要があるでしょう。
結果的には、2013年3月までに開発を完了している必要があります。
今からみて、2年を切っている、ということです。特急開発が要請されています。
今回のテーマは、「自社開発こそ最善の道」といたしました。理由につきましては、
以下の観点で述べてみたい、と思います。
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◇ 本来会計の方法論は、昔から何も変わっていない。
基本的な部分を自社開発すれば、後は応用が利きます。自社開発は容易です。
◇ IFRS会計処理におけるサピエンスの優位性
サピエンスは、会計処理においても、優位な機能をもっています。
◇ 自社開発としても考慮すべき課題点がある。
不要な機能は外して、開発を容易にする、また、騒がれている機能も
ITシステム構築からみると問題でない場合もあります。
今回は、これらについて解説することとしましょう。
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◇ 本来会計の方法論は、昔から何も変わっていない
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会計の処理は、複式簿記が発明されて以来、原則何も変わっていません。
取引が発生したとき、借方と貸方に分けて、仕訳し、それを総勘定元帳に
転記し、残高を計算しておき、結果を財務諸表に取りまとめる、
という手順は昔から、手作業で行われてきました。
それこそ、「ベニスの商人」以来、何も変わっていないのです。
コンピュータによる会計処理は、この手作業と何ら変わっていません。
ただ、通信との融合により、大量、複数場所同時処理が可能になった点が
変わっているだけです。
ITのシステム作りという観点にたちますと、合理的な方法論であるだけに、
比較的やさしいものになります。
それにも、拘わらず、一時、ERP全盛の期に、会計が何かとてつもない、
もののように喧伝され、各社がERPに走ったことは皆さんがご存じの
とおりです。結構カストマイズにお金が必要だったといわれています。
さらに最近、IFRS、複数GL、リアル・タイム会計、というような
言葉の乱立が目立つようになり、何か会計が本質的に変わるかの
ように、とらえられている感があります。また、それに伴い、ERPの
バージョン・アップが必要といわれたりしています。
しかし、中身を考えてみると何も変わっていないことに気がつきます。
各勘定科目の取扱いが世界的に統一されようとしているに過ぎません。
ただ、統一のされ方に微妙な問題があり、各社毎にその取扱を決定し、
個別に説明する必要があります。これは、各業務処理における自動仕訳の
中身が各社毎に変化することになりますので、
厄介ではありますが、会計の本質が変わっているのではありません。
何はともあれ、各社とも勘定科目の取扱い方を自社用に決定し、
それを自社ITシステムに取り込む必要があります。
各社の取り込み方を一般化したERPは巨大化してしまう
ことになるでしょう。巨大化したERPを採用して、その一部を使用
するような愚を犯すよりも、そもそもの会計処理は簡単ですから、
それを自社開発してしまい、勘定科目の取込みは、自社に合わせて
自動仕訳できるようにした方が、安くて良いものができるはずです。
弊社では、そのような観点にたち、会計処理を、コアエンジンとして
開発いたしました。自動仕訳機能や、一部業務処理を含めて、
2週間で開発できています。勿論、複数GLですし、リアルタイム会計です。
この例では、連結は行いませんでしたが、これもそれほど大変な問題とは
考えていません。
是非、自社開発を考えてみていただけませんでしょうか。
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◇ IFRS会計処理におけるサピエンスの優位性
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実際に会計システムを作るとなりますと、現実には、プログラムを作成する
必要があります。これは結構面倒なことです。しかも、複数GLだ、
リアル・タイム会計だ、ということになりますと、会計の基本がわかっていた
としても面倒なことになります。一般的に「2:8の法則」といわれていますが、
プログラムを作るとなりますと、コンピュータ的論理処理部分が8で、
業務的処理部分が2といわれています。
すなわち、会計システムを作るというより、コンピュータ処理を作っていると
いった方がよいわけです。確かに、自社開発というのは「手ごわい」ものです。
しかし、「サピエンス」では、状況が一変します。サピエンスには、
プログラムというものがありません。したがってプログラム開発という視点で
ものを考える必要がなくなるのです。「サピエンス」では、上記の業務処理を
記述するものとして、ルールというものがあります。ルールでは、業務を
記述します。コンピュータ処理を記述する必要がありません。
会計でいいますと、転記する、残高を計算する、といったことを
記述するだけです。したがって、記述量は「2:8の法則」の2だけでよく
なります。さらに、「サピエンス」では、変更、削除処理を自動化してくれますので、
開発者はそれらを記述する必要がありません。結果として、
ルールはプログラムに比し、行数でみて、1/30〜1/50のコード量に激減
することが実証されています。
これは開発の特急化、並びに品質の安定化、保守の容易化に劇的に貢献しています。
すなわち、IFRSといえども、自社開発はこわくない、ということになります。
当然ですが、自社開発となりますと、自社にとって、優位なように開発できますので、
安価で、競争優位なものが作成できる道が拓けるのです。
実例を、弊社のHPで紹介しております。
是非、ご一読いただければ幸いです。
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Topic : 2週間でできるIFRS・コアエンジン
http://www.tojolab.com/t_page10_00_mail_magazine.html
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◇ 自社開発としても考慮すべき課題点がある。
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自社開発するのが最善とはいえ、現実の実装する場合には、それなりに
当然苦労するのが当たり前でしょう。いくつかの観点で以下に記載しましょう。
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・リアルタイム会計について
リアルタイム会計というからには、例えば、売上を計上したときに、売上原価
を計上できるようにすべきでしょう。弊社のHPの実例では、商品マスターに
売上原価を持たせています。
しかしながら、実際には、対象企業によって状況が異なるでしょう。
プロジェクト主体で、売上を計上しているような企業では、原価の発生と売上の
発生は一致しないこともあるでしょう。この場合には、売上計上時に売上原価を
計上しない方が当たり前でしょう。また、逆に売上原価の方が先に発生する場合も
あるでしょう。また、売上原価に在庫が関連しないこともあるでしょう。
すなわち、仕入=売上原価かもしれません。
小売業などでは、棚卸を行わないと売上原価は確定しないのが普通でしょう。
しかし、この場合でも単品ごとに仕入価格を管理しているのなら、売上時に
その単品を指定することで個別に原価を把握することも理論上は可能です。
あるいは、定期的に移動仕入価格を計算して、商品マスターを更新しても
よいでしょう。
このように、売上原価の把握ひとつでも個々の対象企業によって、異なった
扱いが考えられます。ITシステム開発の立場からすれば、
それはその企業の考え方に合わせて、開発してやればよいことになります。
何もいろいろな方法を事前に用意したERPで、ある機能を特定して使うまでも
ないでしょう。
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・IFRSでは経常利益がなくなる。
これも、極めて重要な話題で、IFRS関連の説明には必ず出てくる項目です。
経営者にとって、経常利益がなくなるということは、従来の価値判断の変革を迫る
ものといえるでしょう。大問題であるわけです。
しかし、ITシステムの構築という観点からみれば、この問題は、ピーナッツ以下の
小さな問題です。単に集計項目が変わるのと、表示項目名が変わるだけです。
いまどき、会計のシステムを開発する人で、この問題を解決するためにプログラム
を組み込む人はいないでしょう。集計科目はテーブル化しているはずです。
包括利益も似たような問題です。
このように、IFRSで騒がれている問題もITシステム構築の問題では、全く
問題ではない項目もあるのです。
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・複数GLについて
これも、IFRSだから複数GLが必要というものでもありません。
従来から、複数GLは色々は局面で考えられてきたものです。
よく連結する際に、各社の勘定科目が一致しない場合、一致させるために
複数のGLを持たせた例はいくつもあるのです。今さらといってもいいくらい、
昔からあった話です。何かに統一する必要があるが、現行のものも残しておきたい
ときに取られてきた対策です。
自社開発するとなれば、難しいという話ではありません。
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・本支店付替について
本支店付替とIFRSとは特定の関係があるものではありません。
ただ、本支店付替を使用して財務会計処理をしている場合には、開発は、結構
面倒なものになります。
個別の本支店間付替を行う仕訳は難解ですし、支店での決済、対応する本店での
決済等面倒な処理が発生します。また、決算する際の合算処理も結構面倒です。
筆者も実際に開発した経験がありますが、うまく処理すれば、本支店間付替は
不要なのではないか、と思っています。具体的には、仕訳伝票に起票元部門コード
と、借方、貸方各々に賦課部門コードを持たせることで、解決できると思っていま
す。
このあたりは、現実の開発において、今後とも議論されるべき課題とは思っていま
すが、廃止できるなら、した方がシステムが単純化できます。
このように、自社開発するとき、廃止できるものは廃止して、簡単化する必要が
ある場合もあるでしょう。
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・合計仕訳と個別仕訳
あらゆる会計取引を常に明細行単位で仕訳けるのか、適切な一区切りで、合計仕訳
するのか、も対象企業の性格によって異なります。特段、会計の問題ではありません
ので、業務処理側で、適切な集計方法を考えればよいでしょう。
自社開発ならば、このための大掛かりな設計を行わずとも、個別に考えればよいでし
ょう。
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・財務会計と管理会計
財務会計と管理会計は守備範囲が異なります。財務会計は、自社内データの
大量事務処理といえるでしょう。一方管理会計は、自社内のみならず、外部データも
含め、かつ未来予測を含めた少量データ意思決定支援処理といえるでしょう。
具体例を少し考えてみましょう。
典型的なものとして予実管理をみてみましょう。予実管理は、対象企業によって、
幅も深さも異なります。幅とは、対象とする勘定科目をどうするかという問題でしょう。
深さとは、対象とする組織部門をどのレベルでとらえるかということでしょう。
わかりやすくいえば、係まで、細かくみるのか、部で良いとするのか、また、事務用品
といった細かい単位までみるのか、一般管理費レベルでみるのか、といった問題です。
これも対象企業のありかたからみて、その企業の常識で作ればよいでしょう。
あまり、一般化することは得策ではありません。
意思決定支援の典型的な例である投資判断といった管理会計をみてみましょう。
例えば、工場建設といったような投資判断は、その工場が生み出す将来キャッシュ
フローの予測から始まるでしょう。また工場の稼働期間内に期待できるIRRを予測
する必要があるでしょう。それらをもとにして、現在価値に割り引き、合計現在価値
を算出することになるでしょう。それが、投資金額を上回れば、投資OKで下回れば、
投資はNOでしょう。
こういった管理会計にIFRSは、殆ど、関係がありません。
すなわち、管理会計は財務会計とは守備範囲が異なります。
経営者にとって、財務会計の価値と管理会計の価値はどちらが高いのでしょうか。
これは局面によって異なります。世界から、資本を調達する目的で、財務状態を
報告する場合には、財務会計の結果としての連結決算情報が重要です。
一方、経営判断を行う上では、管理会計の結果の方が価値が高い場合が多いでしょう。
予実管理の結果は、IFRSでの報告事項ではありませんが、経営者にとって、
重要な反省材料であり、経営改善のための重要な根拠であるでしょう。
投資判断の現在価値も同様にIFRSでの報告事項ではありませんが、経営判断上
極めて重要な指標です。
IFRS導入にあたっては、財務会計、管理会計両面の利用方法を勘案し、
その企業にとって、重要なものから、順次導入していけばよいでしょう。
-------> (株)東條経営科学研究所ホームページ http://www.tojolab.com/
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2. メールマガジン バックナンバーのお知らせ
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本メールマガジンもなんとか第4号を発行させていただけました。
ホームページ上のメールマガジンのご案内ページには、バックナンバーを
ご覧いただけるようになっておりますので、こちらも併せてご利用いただければと
存じます。
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メールマガジンのご案内
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また、記事のリクエスト、ご質問その他、ご意見などございましたら、是非お聞かせ
いただければと思っております。
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弊社宛て問い合わせメールは、mailmg_toiawase@tojolab.com まで
今後とも弊社へ、ご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
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