メールマガジン バックナンバー

 第8号 (2011.9発行)

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本メールは、メールマガジンメンバーの皆様および、お問合せ、イベント・
セミナー等にてメール交換させていただいた方にご連絡いたしております。
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メルマガメンバーの皆様へ


暑さもひと段落したものの、台風12号が各地に被害をもたらしましたが、
皆さまの地域は大丈夫でしたでしょうか。


さて、最近、「日次決算」ということが言われるようになりました。
これを、実務の世界に取り込むにはどのように考えていけばよいのでしょうか。
今回はこの件について少しお話をさせていただいております。


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+ 目次
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1.「日次決算」の実務への取り込み
2.メールマガジン バックナンバーのお知らせ
3.一部問い合わせメールアドレスが間違っておりました。(お詫び)
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株式会社 東條経営科学研究所  http://www.tojolab.com/

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1. 「日次決算」の実務への取り込み
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(1)データ処理と会計処理の統合・・・ドラッカーの見解
(2)「日次決算」のめざすもの
(3)「日次決算」の実装・・・弊社の取組み


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(1)データ処理と会計処理の統合・・・ドラッカーの見解


今、「もしドラ」で再び、人気のあるドラッカーですが、私は、今から約10年前、
「ネックスト・ソサイエティ」を読んだとき、印象に残った文章がありました。
何も「日次決算」の必要性を説いていたのではないのですが、コンピュータ・シス
テムに関する文章でした。

ドラッカーは、現代のコンピュータ・システムでは、データ処理と会計処理が分断
されていると説いていました。
経営者はどちらのデータで判断して経営しているでしょうか。

もちろん会計処理の結果です。
データ処理の結果では判断していない、と書いてありました。
これはコンピュータ屋として、経営情報システムの構築が必要であると盛んにいい、
それに対する製品を販売してきた我々にとっては、結構ショッキングな指摘だった
のです。

しかし、事実はドラッカーの指摘とおりです。
データ処理においては、経営判断に有用な情報を提供できていません。

さらにドラッカーは続けます、「私の孫の代には、この両システムは統合されて
いるかも知れない」と。ドラッカーはコンピュータ屋さんではありませんから、
どの程度コンピュータ・システムの大変さを理解しておられたかはわかりません
が、構築の大変さは理解しておられたものと考えます。さすが、の感があります。

私がこの本を読んだ当時のドラッカーの年齢は90歳を越えていました。
それから考えますとドラッカーの孫の世代とは、現在近辺と考えて良いのでは
ないでしょうか。

「ネクスト・ソサイエティ」の出版から約10年が過ぎています。
私達は、そろそろ、データ処理と会計を統合しなければならない世代を生きて
いる感じがいたします。

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(2)「日次決算」のめざすもの

今、「日次決算」という言葉が、ネット上で騒がれています。

それらを読んでいますと二つの方向がある感じがいたします。

ひとつは、決算を主眼においたものです。
すなわち、日次決算が行えるようになれば、月次決算がスムースに行えるように
なる、さらに、四半期決算が、スムースになり、年次決算もスムースに行える、
といったように、決算のスピード化をめざそうとする考え方です。

これらの主張のなかでは、減価償却を365日の日割りで行うこと等が重大な関
心事となりますし、税金は、引当金なども重大な関心事となります。

他の主張は、決算というよりは、経営のスピード化をめざし、細かい会計決算上
の必要項目を完成させるというより、会計外の情報、すなわち、受注は発注とい
った通常経営でよく語られる項目の管理が毎日できるようにし、同時にこれら管
理項目を全社員に広めていくことにより、企業の体力強化を図り、経営のスピー
ド化を図ろうとする主張です。

どちらが、魅力的でしょうか。
当然のことながら、経営者にとっては後者ではないでしょうか。
決算は確かに面倒な作業であり、連結ともなりますと、さらに複雑化していきま
す。
しかし、経営者としては、全社員が、会計情報をみて、経営状態を判断してくれ
ることの方がありがたいでしょう。
決算の高速化は別途考えるとして、総合的に各部門、並びに個人が、経営に参画
できるようになる方がはるかに価値が高いものと考えられます。

それでは、こういった「日次決算」が企業に定着するためにはどんな対策が必要
でしょうか。

「日次決算」を主張する方々のなかには、毎日、売上や、原価、諸経費を、記録
するようにしていけばよいという方々がおられます。
実践的にはそれの方が早いかもしれません。
しかし、それを全社に統合して、毎日社長レベルで集計する、となりますと、結
構面倒なものでしょう。
実はこれは、(1)項で述べたドラッカーのデータ処理と会計処理の分断の典型
的な事例です。


やはり、コンピュータ・システムを活用した方が合理的に行えます。
詳細は次節に譲るとして、概念的には以下のとおりになります。

 ◇ データ処理システムにおいて、会計との連携ができるようにしておく。
   平たくいいますと自動仕訳できるようにしておくことです。

 ◇ 総勘定元帳、残高を瞬時に更新できるようにしておく。

 ◇ PL、BS、CFの帳票が直ちに入手できるようにしておく。


そして、何よりも大切なことは、各部門別にこれらが入手できるようにしておく
と同時に毎日、この3表でもって、自部門、個人が判断できるように、一定の研
修を行っておくことです。

現在では、山のような管理資料をもとに判断することが合理的と考えられている
節があります。
すなわち、売上予定表、売掛金回収予定表、資金繰表、・・・などです。

しかし、これらは原則として、うまく作表すれが、上記3表で殆ど事足ります。


要は、誰もが、現場の仕事を行い、その結果として、PL、BS,CFを活用
できるように訓練することです。別に会計専門家のような知識が必要なのでは
ありません。
要点はわずかなものです。
それらをもとに経営できれば、ドラッカーのいうデータ処理と会計処理が統合
されることになるものと考えています。


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(3)「日次決算」の実装・・・弊社の取組み


弊社では、データ処理と会計処理の統合の考えを、Innovation Family™ に実装
しております。

ここでは、若干技術論を交えて、その実装をご紹介することにしましょう。


データ処理システムとは、受注システム、出荷システム(売上計上システム)、
売掛金回収システム、発注システム、受入システム、買掛金支払システム、
在庫管理システム等、今まで多く作られてきたシステムのことを指します。

これらの情報は通常、各システムのデータ・ベースに記録されることになります。

会計にはいかにして、情報を渡すのでしょうか。

最も原始的な方法は、各システムから出力される帳票をもとにして、経理担当者
が会計パッケージに対して、仕訳伝票を入力します。
今でもこの方法で会計に渡しているところが圧倒的の多いはずです。

しかし、これでは、大変なことになりかねませんので、登録されたデータ・ベー
スの内容を走査して、会計に渡すべきデータを作成してやる方法が行われている
ところも次第に増えつつあります。
いわば、データ連携ということになります。
よくCSVがどうしたといわれることがありますが、それが、代表的な事例です。

これでも「日次決算」を行うことができます。

代表的なのは、ERPと呼ばれるパッケージを採用することです。
最近のERPと呼ばれるものは殆どが、上記のデータ処理システムに対応してい
ますし、会計システムも組み込まれています。

ただし、この方法には、課題点が存在します。
どうしても、データ処理システムにおいて、締の時刻を設定する必要が出てきます。

すなわち、この締時刻までにデータ処理システムに入力されたデータを走査させる
ために、いくばくかの時間が必要となります。

現実的に解決するために、一日の締時刻を14:00頃に設定すれば良いと指摘
されるコンサルタントの方もおられます。
確かに、実務的な業務処理の観点からしますと、そのようにすることが妥当かも
しれません。

ただ、コンピュータ屋としましては、何とか、そんなことをしなくても、直ちに、
PL、BS、CFが出せるように仕組みたいと思ってしまいます。

弊社では、業務処理から会計へのデータ渡しは、直ちに行えるようにしています。
この処理は一般のコンピュータ・プログラムで記述するのは、難解極りないので
すが、弊社が採用しておりますイスラエル製のソフトである「サピエンス」では
いとも簡単にできてしまいます。


あまり深い技術論は避けますが、例えば、受注が入力されますと、直ちに、仕訳
伝票が起票されます。仕訳伝票が起票されますと、直ちに、総勘定元帳に転記し
ます。
総勘定元帳に転記されますと、直ちに、残高表に記載されます。残高は部門別に
集計されています。

あとは、帳票としてのPL、BS、CFをみれば良いことになります。

すなわち、データ処理システムに1件データが登録されると、直ちに、PL、
BS、CFが更新されることになります。こういったシステムをリアルタイム会計
と言います。

技術的には、データ処理システムから、仕訳伝票にメッセージ連携していることに
なります。データ連携ではないのです。さらに部門別残高まで、一気にメッセージ
連携します。

利点は何でしょうか。
論理的には、本日末時刻時点での部門別のPL、BS、CFが「日次決算」として
入手することが可能になる、ということです。

弊社ではさらに、将来の情報も会計で扱えるようにしています。「日次決算」と
いっても、将来の見通しをもつことは重大です。
過去を追いかけることは経営ではありません。

弊社の見通し情報が入るシステムも実は「日次決算」の実装にあたっては重大関
心事です。

これにつきましては、今後さらにご紹介して参る予定でおります。

弊社では、この考えのもとに全ての業務システムの開発を行ってまいりたいと
思っています。ご見解、意見などお寄せいただければ幸いに存じます。


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2. メールマガジン バックナンバーのお知らせ
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ホームページ上のメールマガジンのご案内ページには、バックナンバーを
ご覧いただけるようになっておりますので、こちらも併せてご利用いただければと
存じます。


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メールマガジンのご案内
http://www.tojolab.com/t_page11_00_mail_magazine.html
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3. 一部問い合わせメールアドレスが間違っておりました。(お詫び)
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本メールマガジンも今回で8号となりましたが、前号まで下記の問い合わせメール
アドレスが間違ったままで送信されておりました。

誤:mailmg_toiawase@tojolab.com
正:mailmg-toiawase@tojolab.com (ハイフンが間違って下線となっておりました。)

お問い合わせいただきました皆様にはご迷惑・ご不便をおかけいたしましたこと
をお詫び申し上げます。
なお、直接、送信用の本メールアドレスに送信いただいたメールは、全て受信して
おりますことを併せてご連絡させていただきます。
送信いただきました皆様ありがとうございました。


また、記事のリクエスト、ご質問その他、ご意見などございましたら、是非お聞かせ
いただければと思っております。


 -------> 弊社宛て問い合わせメールは、mailmg-toiawase@tojolab.com まで


今後とも弊社へ、ご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。


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