メールマガジン バックナンバー
第13号 (2012.02発行)
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本メールは、メールマガジンメンバーの皆様および、お問合せ、イベント・
セミナー等にて名刺交換させていただいた方にご連絡いたしております。
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メルマガメンバーの皆様へ
2月に入り、まだまだ寒い日が続いておりますがー皆様いかがお過ごしでしょうか。
弊社事業所の窓からお天気のよい日は富士山が見えるのですが、最近は山頂を雲が
覆いかぶさっていて青空にも関わらず姿が見えない時があります。
調べてみましたところ、この雲を「笠雲」というそうで、冷え込みが厳しく快晴が
続く時などにできるそうです。
さて、今回は、見通す経営と管理会計についての話題です。
長文ではありますが、よろしくお願いします。
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+ 目次
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1.Innovation Family(TM) 「見通す経営」
2.関連記事のご紹介
3.メールマガジン バックナンバーのお知らせ
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株式会社 東條経営科学研究所 http://www.tojolab.com/
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1. Innovation Family(TM) 「見通す経営」
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今回のメルマガでは、有名なゲーテの一節をご紹介することからはじめましょう。
「…真の商人の精神ほど広い精神、広くなくてはならない精神を、ぼくはほかに
知らないね。商売をやってゆくのに、広い視野をあたえてくれるのは、複式簿記
による整理だ。
整理されていればいつでも全体が見渡される。細かしいことでまごまごする必要
がなくなる。複式簿記が商人にあたえてくれる利益は計り知れないほどだ。
人間の精神が産んだ最高の発明の一つだね。
立派な経営者は誰でも、経営に複式簿記を取り入れるべきなんだ。」
これは、ゲーテ
(1747-1832)「ヴィルヘルム・マイスターの修行時代」の一節で
す。(山崎章甫訳、岩波文庫 2001.1 上巻pp.55)。
┣ http://www.lib.hit-u.ac.jp/service/tenji/k15/goethetoboki.html
┣
複式簿記がやってきた!-明治初期簿記導入史と商法講習所
┣ (平成15(2003)年度一橋大学付属図書館企画展の記事です。)
このように、複式簿記のアーキテクチャー、美しさに感動した先人がいたのです。
文学者、哲学者であるゲーテが、このようなことを言っているのは驚くべきこと
ですが、会計の講座ではよく引用されています。私も複式簿記に魅惑された一人、
コンピュータの時代になって、手書きの時代では限界があったかも知れない複式
簿記の世界を広げることはできないかが、いつか私の命題になっていました。
そして12年、それを形にしたのが、ご紹介しております「見通す経営」です。
ところで、最近、いくつかのお客様に「IF−見通す経営」をご紹介しておりま
す。その中で多くの方々から、「管理会計」と「IF−見通す経営」を対比させ
てご意見をいただくことが多くありました。
そこで、今回は、「管理会計」と「IF−見通す経営」の関係について論じてみ
たいと思います。
以下の順でご説明させていただきます。
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【1】経営における3層
【2】管理会計
【3】「IF−見通す経営」の狙い目
【4】協力会社様との協業などについて
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【1】経営における3層
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筆者は、会社を経営するためには、3層があることを理解しておく必要があると
考えています。
すなわち
・経営層
・管理層
・実務層
があると考えています。
順次、概観してみましょう。
経営層は、管理層、実務層を統括するものであり、下位層をコントロールしなけ
ればなりませんが、本質的には、事業選択並びに投資に責任をもつ層と考えてい
ます。
この層に属する人は、社長であり、役員であり、組織的には、経営企画室といっ
たところであります。
この立場にいる人の役割は炯眼に基づいて、企業を方向づけるという点にありま
す。
管理層は、利潤の確保、並びに、健全なる経営に対して責任をもつ層です。
いわゆるミドル・マネージメント呼ばれる方々が責任をもつ層であります。
もちろん炯眼は必要でありますが、企業の現状、改善点に着目し、企業経営する
必要があります。
実務層は、ご理解いただけるとおり、現場で、仕事を完遂する責任をもっている
層であります。
日々の活動(実務)を通じて、直接、顧客、取引先に接し、製造、サービスを提
供する層であります。
会社は、これらの層が各々、責任をもって、任務を遂行することにより、成り立
っている、と考えて良いでしょう。
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弊社宛て問い合わせメールは、mailmg-toiawase@tojolab.com まで
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【2】管理会計
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管理会計は、財務会計等の情報をもとに、経営者に有益な情報を提供するものと
定義されています。
財務会計は、発生した取引をもとに記帳されますので、まだ発生していない取引、
すなわち、来月の売上高といった情報は取扱いません。一方、管理会計では、
発生済取引のみではなく、将来の取引も取り扱っています。
管理会計といわれるものを整理してみますと以下のようになるものと筆者は考え
ています。
・指標からみる管理会計
・切り口からみる管理会計
・予実からみる管理会計
・経営科学の視点からみる管理会計
筆者は、この管理会計のデータ処理に興味をもっています。
そこで、データ処理という観点も考えながら、これら管理会計を補足してみたい
と思います。
まず指標からみる管理会計についてのデータ処理はどう考えればよいでしょうか。
指標には、流動性比率、自己資本比率、資本回転率、ROE、EBITなど多く
のものが存在します。
データ処理の観点からしますと、財務会計から得られた数値を基に、単純に計算
できるものであります。
したがって、特段、シリアスなデータ処理が要求されるものとは考えていません。
なお、BSCのKPIなども指標といえるかもしれませんが、筆者の考えでは、
BSCもまた、切り口から見る管理会計の一つと考えております。
切り口からみる管理会計は様々な側面があり、管理会計の重要な位置を占めてい
ます。
切り口とは、
売上高、原価を管理する。
受注、発注、見込み案件の状況を管理する。
セグメント、部門状況を管理する。
資金、債権、債務を管理する。
変動費、固定費を管理する。
BSC(Balanced Score Card)で総合的に管理する。
等のことをさします。
経営とは、企業で発生する様々な事象を、管理し、利潤を追求すると同時に、
健全なる経営を全うすることでしょうから、様々な切り口があることは当然の
ことでしょう。
管理会計はこの経営課題に応えるために、上記のような管理をしようとしてき
たものと解されます。
管理会計は、「会計」という言葉を使っています。
しかし、上記のような切り口をみたとき、一体これは「会計」なのだろうかと
いう疑問をもってしまいます。
なぜでしょうか。
筆者は次のように考えています。
・管理会計は将来の予想も取り扱うが、財務会計では将来は取り扱えない。
・財務会計では、そもそも、受注や、発注、見込みなどの勘定科目がない。
・結果、管理会計は会計といわれるにも拘わらず単式簿記で行われている。
管理会計は、会計であるにも関わらず、本来の会計の手法である複式簿記のメリ
ットを受けることなく、やみくもに作られてきた感じがいたします。
すなわち、売上といえば、ひたすら売上を追いかけ、原価といえば、ひたすら
原価を追いかけ、資金といえば、ひたすら、現金・預金の動きを追いかけてき
ました。
これはまさに、売上、原価、現預金といったひとつの勘定科目をひたすら追い
かけまわしていることになります。
本来、会計は、残高試算表のなかで、これらは、統合できるものであるにも拘
わらず、片側ばかり追いかけてきたことになります。
予実からみる管理会計とは、予算と実績を対比させて、利潤を追求する手法と
いえます。
これもやはり単式簿記中心であり、売上予算や、原価予算で対比することを目
標にしています。
データ処理の観点からみれば、EXCELでできる程度のものから、財務会計
の出力を使用しながら、大量の管理資料を提供するものまで、様々なものが開
発されてきています。
最後の経営科学の視点からみる管理会計とは、これらのものとは一線を画して
おり、統計学、OR、LP,ファイナンス理論、産業連関分析等の知見から、
経営者に対して有用な情報を提供するものと言えるでしょう。
管理会計でのこの分野は経営の3階層からいえば、最上位にある経営層に対し
て情報を提供するものといえます。
データ処理の観点からいえば、BIなどが該当するといえますが、体系立てた
方法論が確立されているわけではありません。
元々体系立てることが無理な領域であり、経営層の炯眼が優先される分野であ
ります。
経営層の本質は、事業選択ですから、会計にこだわることなく、大きな視点が
要請され、つまるところ炯眼がと意思決定が必要ということになります。
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【3】「IF−見通す経営」の狙い目
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最後にこれらを統合して、「IF−見通す経営」では何をめざしているのかにつ
いて述べることにしましょう。
「IF−見通す経営」は経営の3層でいえば、第2層と第3層すなわち、管理層、
実務層の管理レベルを、大きく向上させることを目標としています。
もちろん、企業規模や企業文化によりましては、第1層、経営の遂行にも貢献す
るものと考えております。
「IF−見通す経営」では、将来の取引は複式簿記で処理されます。
わかりやすく表現しますと、受注が確定したとき、その受注に基づき、将来発生
する、売上の計上、外部への支払等を自動で、将来仕訳してしまいます。
したがって、会計処理の中で、財務会計として発生する従来の仕訳のみならず、
将来発生する仕訳も処理してしまいます。
つまり、総勘定元帳が、財務会計用と将来会計用に区分けされて作成されること
となります。
「IF−見通す経営」ではこの総勘定元帳を統合して、残高試算表を作成できる
ようにしています。
すなわち、管理会計がめざすところと似通った処理を行うことになります。
管理会計と本質的に異なるのは、単式簿記ではなく、複式簿記を採用している点
にあります。
複式簿記を採用することにより、従来、管理会計でやみくもに行っていた点が統
合され、かつリアルタイムに行われますので、辻褄のあった合理的な処理が瞬時
に行われることになります。
管理会計は一般的にどこの企業でもなにがしかは行われています。
しかし、数字が合わない、原価と仕掛が区分できない、結果が出てくるのが遅い
等の課題点を抱えています。
「IF−見通す経営」はこれらの課題点を解決します。
「IF−見通す経営」では、現在バージョンアップを企画しており、新しいバー
ジョンでは、受注レベルのみならず、見込み案件の管理、予実の管理も含める予
定をしています。
また、総勘定元帳には、金額のみならず、数量も管理できるようにし、物販系に
も対応できるように考えています。
さらに付加情報を強化し、セグメント、部門、顧客情報、取引先情報、商品情報、
社内情報などを強化する予定でおります。
様々な切り口で管理する元情報は、総勘定元帳に一元化します。
結果として、統合され、整合性のとれたデータをリアルタイムで作成できるよう
になります。
このようにして、「IF−見通す経営」は、企業の経営を支援しようとしている
のです。
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弊社宛て問い合わせメールは、mailmg-toiawase@tojolab.com まで
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【4】協力会社様との協業などについて
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「IF-見通す経営」および会計処理関連は、弊社による開発・カストマイズにて
ご提供させていただきたいと存じます。
販売、調達、在庫管理など各業界で異なる業務処理機能に関しましては、協力会
社様のご協力を得て構築させていただきたいと存じております。
弊社では、現在「IF-見通す経営」を中核にした“Innovation Family”による
基幹システムとして、住宅建設業界様向けの業務システムを構築し、ご提供させ
ていただいておりますが、色々な業界に適用可能です。
例えば、住宅建設業界、土木建設業界、電気工事業界、SI業界等、プロジェクト
形態をとっている業界がまず考えられますが、これにこだわることなく、一般業界
でも適用が可能です。
弊社といたしましては、ご協力会社様による各業界ごとのシステム構築および
ご販売によるご協業をいただければと幸いに存じます。
また、ご興味のあるというお客様をご存知の場合には、是非ご一報いただければ
いつでも対応させていただきます。
価格を含む詳細につきましては、別途、ご説明させていただきますので、お気軽
にお声をかけていただければありがたく存じます。
株式会社 東條経営科学研究所 http://www.tojolab.com/
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弊社宛て問い合わせメールは、mailmg-toiawase@tojolab.com まで
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2. 関連記事のご紹介
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今回ご紹介した「見通す経営」で実装している機能は、サピエンスに搭載されて
いる強力なエンジンにより、開発しています。
以前当メルマガ第3号にて、ご紹介した開発の優位性サピエンスの記事がござい
ますので、ぜひ一読ください。
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【Topics】基幹業務開発のQCDに対するサピエンスによる開発の優位性
http://www.tojolab.com/t_page20_00_topics_sapi_01_00.html
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3. メールマガジン バックナンバーのお知らせ
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ホームページ上のメールマガジンのご案内ページには、バックナンバーを
ご覧いただけるようになっておりますので、こちらも併せてご利用いただければ
と存じます。
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メールマガジンのご案内
http://www.tojolab.com/t_page11_00_mail_magazine.html
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また、記事のリクエスト、ご質問その他、ご意見などございましたら、是非お聞
かせいただければと思っております。
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